マシャード有機コーヒー栽培者の会
UNICOM/Uniao de Cafeicultores Organicos de Machada
生産基準
NORMA DA PRODUCAO


 コーヒー生豆の収穫から出荷まで


1. 収穫 : 従来型の布を使う収穫の方法では、コーヒーの実は土に触れていないため、汚れておらず、水洗いする必要はない。しかし、有機栽培にみられるように、一度地上にすべてのコーヒーの実を落としてから、はき集める方法では、コーヒーの実は土まみれになり、小石や土くれ、小枝や枯れ葉が混じり、洗浄の必要がある。
2. 収穫の運搬 : ジェレヂン農園の収穫物は、約7km離れたビラモン農園に運び込まれ、収穫後の作業一切をビラモン農園内で行う。但し、農場別にその出所は管理され、両農園のコーヒーは混じることはない。
3. 洗浄および浮き豆、沈み豆の仕分け : 農場内に水源を持つ小川の水を使い、コーヒーの実を洗浄する。洗浄に続いて、コーヒーの実の重さの違いを利用して水に浮くものと沈むものに分ける。樹上で十分乾燥して黒くなった実は浮き豆となり、比較的短時間の乾燥に廻される。一方、緑色の未熟果、赤色や黄色の熟果は水中に沈み、長時間の天日乾燥に廻される。
4. 乾燥 : 普通、天日乾燥場にて収穫されたコーヒーの実を天日で乾燥させることを言う。従来型の布を使った収穫方法では、黒豆も、赤豆も緑も混ざった状態で、水洗いもせず、約1週間、長いものでは10日間位天日乾燥される。その後、豆の湿度を均一にするために、1日か2日、機械乾燥されることもある。水洗いされた黒いほうの浮き豆は、水切りのため、約1日位天日乾燥場に置かれた後、乾燥機に入れられ、豆の湿度を11度前後になるよう調節される。赤、緑の沈み豆は、従来型のときに説明した順序で、乾燥される。
5. 貯蔵 : 天日乾燥場、或いは機械乾燥機で適当な湿度に調整されたコーヒーの実は、ツーリャと呼ばれる内壁を木材で覆ったコーヒー豆専用貯蔵庫に1ヶ月から2ヶ月間程貯えられ、この期間にコーヒーの実の湿度を均一化と同時に豆の熟成を待つ。
6. 第一次加工 : 農場内での作業。コーヒーの実の外皮を剥き、コーヒー豆の生豆と外皮、侠雑物を風力で選別する。機械から出たてのコーヒー生豆を”ビッカ・コリーダ”と呼び、第1次選の済んだコーヒー生豆となる。商品としての形になったコーヒー生豆は中古の麻袋に60kg単位で詰められ、国内取り引きの対象の商品としての形が整う。
7. 国内用包装 : 中古の麻袋に詰められる。この状態で国内取引は行われる。又、保管倉庫にコーヒー生豆の保管を依頼する場合も、この形となる。麻袋にはなんら印字されず、保管倉庫内では、山積にされたコーヒーの袋の一角に、持ち主の名前や俵数が入ったロット番号付のカードがつけられる。
8. 運送 : 各農場内から保管倉庫ヂナモ社へ運送には自家用トラックが使われる。運送前には荷台の清掃を徹底的に行う。ジェレヂン農園産のコーヒーも含めビラモン農園で一次加工されたコーヒーは、約21km離れた大型の民間企業、ヂナモ社に運ばれる。又、セーラネグラ農園産のコーヒーは隣の農場のトラックでヂナモ社まで約25kmを運送される。
9. 保管 : 普通コーヒー組合の倉庫に保管を頼む。有機の場合、特別に契約した倉庫兼精選所に持ち込み、有機用特別コーナーにて保管される。保管の期間は、全量販売済みとなるまでで、翌年の収穫物と一緒に保管されることもある。マシャード郡管内で生産される有機コーヒーは、ヂナモ社の大倉庫に保管され、同所で精選される。
10. 第2次調整 : 保管倉庫兼コーヒー精選工場内で、輸出用仕様に仕上げられ、輸出用のマークについた新しい麻袋に詰め替えられる。コーヒーの取り引きは、少量の見本で味をみ、色々な仕様を加味して決められることが多い。そのため、契約が終わった後で、受注通りの仕様に調整することもあり、生産者のほうで、ある一定の仕様内に調整した形で、取り引きすることもある。
11. 輸出用包装 : 新麻袋はブラジル・コーヒーのマークのついたものを使う。また国際コーヒー機構に登録した輸出元のナンバー、および中身の商品の内容を判断することの出来るデータを印字することが習慣となっている。有機の場合は、更にその上に何らかの有機コーヒーである事が判るマークを入れる。保管から輸出用包装までがヂナモ社によって実施される。
12. サントス港へ陸送 : 日本向輸出は普通コンテナ1本、60kg入りのコーヒー麻袋、250俵を1単位として行われる。従って、マシャードの倉庫会社からサントス市の輸出ターミナルまでの約400kmの陸送は、 15トン積みの運輸会社のトラックで行われる。マシャード市にある運送会社に依頼することが多いが、サントス港で空コンテナを受け取り、それをマシャード市のヂナモ社に運び、倉庫会社内でコーヒー 60kg入りの麻袋をコンテナに詰め、コンテナごとサントスへ陸送することが理想であり現在サントスの NSG社と交渉中である。又この場合コンテナ・ターミナルには保管されず、直接船会社の倉庫に持ち込まれる。
13. コンテナ詰め : 陸送されたコーヒーは、輸出用ターミナル内で、コンテナ詰めされる。あらかじめ船会社に新しくて、きれいなコンテナを配送してもらうように依頼し、尚且つ、ターミナルではコンテナ内部の清掃の上、全壁面に厚紙を張らせ、コンテナ壁面とコーヒー袋が直接接触しないようにする。コンテナ詰めには、サンパウロより職員を派遣し立ち会いをさせている。終了後、コンテナには番号付の鍵(ラクレ)を掛ける。
14. 船積 : 施錠されたコンテナは税官員のみ開封できる。通常は施錠された状態で船に積み込まれ、約40日の航海の後、日本の港に陸揚げされる。輸出の場合、サントス港を出るまでが、ブラジル側の責任範囲であり、船中、日本での陸揚げ後の様子は当方では判らない。
2001年10月19日